最初の「好き」が見つかった。

広告業界もいいなと思っていた。普通のOLにも憧れていた。「就職先にあまりこだわりはありませんでした。ちょっとでも興味が持てたら、そこで頑張ったらいいやって。」では、オータのどこに惹かれたのか。「ホントのこと言うと、お給料がすごくよかったんです!」宮浦はそういって、ちょっとはにかんだ笑顔を見せた。オータグループのことは、就職サイトで見つけてなんとなく惹かれたという。参加した会社説明会で「店舗ごとにPOPやチラシ、ホームページなども自分たち自身で制作している」という話を聞いたとき、宮浦は胸が高鳴った。「私のやりたいことはそれだ!って思いました。ここで広告つくったらいいし、OLがしたかったら本社勤務になったらいい。オータいいなあって。ワタシって単純なんですかね。」そういって、また笑顔を見せた。

いきなり叶った夢。

新入社員はまずは全員が店舗勤務になる。配属された新座店は、まもなくリニューアルオープンを控えていた。時間がない。誰もが焦っていた。上の人たちもどうやら手探りが続いているらしい。朝令暮改の連続に、現場にも戸惑いが広がっていた。「もう新人だからって甘えは捨てようと思いました。」できることを見つけて、積極的に動く。気づいたことがあれば上司にも意見する。「そこの指示がわかりにくいです。」「あそこはこうした方がいいと思います。」新人のクセに生意気だ、とはならない。同じ目的に向かう仲間であり、戦士。そんな空気感がうれしかった。チラシを作り、街頭で手配りする。「早速チラシのデザインを手伝わせてもらいました。ホントに夢が叶う。この会社すごい。」いよいよオープン当日。お客様は来てくださるだろうか。心配でいつもより2時間早く出勤した宮浦の目に、ホールの周りに列をなすたくさんのお客様の姿が映った。「もう声になりませんでした。こんなに期待してくださるんなら、もっと頑張らなきゃって。」

「好き」が増えていく場所。

半年後、新宿本社に異動。お財布もってランチにいくとき、「あ、わたしOLやってる」とうれしくなる。パチンコ店は新台の導入にあたってリース契約を結ぶ。その際に必要な書類作成が今の宮浦の担当。仕事柄、金融機関やリース会社の方と接触する機会も多い。宮浦がいつも気をつけていることがある。それはお会いする方の名前を一回で覚えること。「コツですか?こちらから積極的に話しかけることです。話の中で興味をもてたら自然に覚えられますから。」こちらが覚えれば、相手も覚えてくださる。小さなことのように映るが、案外、大事なことは小さなことの積み重ねでしかなかったりする。最近では金融機関とのちょっとしたやり取りまで任せてもらえるようになった。「できることをもっと増やしたいんです。」そう願い出て会長の秘書の代役(産休中のピンチヒッター)を任せてもらったこともあった。「やればやるほど、『好き』がどんどん増えるんです。」宮浦にとって、働くことはどうやらそういうことらしい。

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