自己満足に陥らない。

パチンコ・パチスロ合わせて982台が設置されている新座店は、オータグループ最大かつ、地域最大級の店。自動ドアが開くと、幅5mはあろうかと思われる広々としたメインストリートが迎え入れてくれる。その先には「業界初導入」の円形パチンコ島が見える。店内各所に設置された大小さまざまなオブジェとデジタルサイネージ。天井からつり下げられた20体以上の回転体がユーモラスな動きを見せる。何より目を引くのは若いスタッフたちのテキパキとした動き、そして、心からの笑顔。ここはまるでテーマパークだ。「自分の中にあるものをすべてこの店に注ぎ込みました。」そう語るのは、2003年入社の店長、菅野将平。厚木店のリニューアルを成功させた後、続いて就任したここ新座店でもリニューアルオープンを任され、着々とお客様の支持を集めている。「自己満足に陥らないように、お客様に伝わることだけを徹底しました。でもまだまだこれからです。」菅野の表情が緩むことはない。それもそのはず。ここまでの道は決して平坦ではなかった。

「信じられる指針」

オータに入社を決意した菅野に、職人だった父親は猛反対した。「なぜパチンコなんだ。どうしてもというのなら出て行け。」菅野の決意は固かった。「まず店長になって結果出すから。」そういって家を出た以上、もう引き返せない。毎日誰よりも早く出社。人が出てくる時間にはその日のルーティンを終わらせ、余った時間で上司の仕事を覚えた。昇進する頃には次の役職の仕事をぜんぶ覚えていたという。駆け足で階段を昇ったが、店長職だけは勝手が違った。チェーンオペレーションを取らないオータにおいて店長はまさに経営者。覚えれば出来るという仕事ではない。そんなとき、運命の出会いがあった。当時の上司との出会いだ。とにかくスケールが大きい。店長代理ともなると他店の視察は欠かせない。近郊の店を一店一店巡る菅野に対し、上司は「それでいいのか」と言い放った。その言葉をきっかけに、菅野は数ヶ月の間に総武線沿線にある300店以上のパチンコ店をすべて回り切った。一事が万事、そんな感じ。「この人より努力すれば絶対に上手くいく。」信じられる指針が、見つかった。

その先に見つかったもの。

入社7年目、菅野は晴れて店長となった。しかし喜びもつかの間、稼働が上がらず、店は半年後にCLOSEとなってしまう。退職を考えるほど落ち込んだ。「所詮は部長のモノマネ。そんなものが通用するほど甘くありませんでした。」では自分の独自性とはなにか。悩みに悩んだ。半年後、再びチャンスが訪れる。リニューアルを控えた厚木店の店長を打診された。躊躇する菅野に部長が声を掛ける。「力はある。思い切ってやれ。」腹は決まった。着任早々から、次々と新しい手を打ってく。「手数で戦略を凌駕する。」そんな覚悟だった。早く、早く、早く。菅野のペースに着いていけず、反発したメンバーもいたという。けれど菅野はぶれない。「先のことなんてわからない。もう後悔はしたくなかったから。」半年後、お客様の数が倍になっていた。あるとき、「出張ついでだ」と父親が厚木店に訪ねてきたことがあった。店長となった息子を見てもなにも言わない。ただひと言、「でっかい店だな」とつぶやいた。「何がよかったのかわかりません。ただ徹底的にやり切った。その先に自分なりのスタイルが見えてきたのは事実です。」

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